SEOUL · BANGI-DONG
疑問符を消してきたリナ、イーサンの図面をたどって四人で歩いたバンイマッコルの夕べ
8号線蚕室駅10番出口から1分の松坡区庁、KTプラザの向かいから始まる旧グルメ通りからオリンピック公園南2門の向かいの新グルメ通りまで — 出口とバスの選び方
北ソウル夢の森で、リナは手帳の最後のページの「芳荑洞」の横に小さな疑問符を描いた。出張最後の週の月曜日、区庁の案内をもとにイーサンが道を描いてきたバンイマッコルの前に、その疑問符を消したリナが現れた。

行き方
イーサンの2度目のソウル出張も、最後の週に入りました。シアトルで機械を設計する44歳のエンジニアで、先週の金曜日には石村湖でルル、マヤと一緒に、ルミナリエが初めて灯る瞬間を見ています。湖をほぼ一周し終えたころ、次の夕食は自分が案内すると言い出し、選んだ場所が芳荑洞(バンイドン)のグルメ通りでした。約束は出張最後の週の月曜日の夜で、残りの日程のうち会議がいちばん早く終わる日です。

その約束には、もう一人加わるかもしれませんでした。北ソウル夢の森でマヤに誘われたとき、日本から来た23歳のリナはすぐには答えず、手帳の最後のページの「芳荑洞」の横に小さな疑問符を描いたからです。リナは、確かでない約束にはいつも疑問符をつける人です。その下には「手帳を持っていく」という行もあり、石村湖で湖を手帳に描いていたエンジニアの話をマヤから聞いた日に書いたものでした。
月曜日の午後、マヤのスマートフォンにリナからメッセージが届きます。手帳の最後のページを撮った写真が1枚だけで、「芳荑洞」の横の疑問符は消しゴムで消され、うっすらと跡が残っているだけです。マヤはその写真を、ルルとイーサンのいるグループチャットにそのまま送ります。イーサンはしばらく写真を見つめてから、今回の出張で受け取ったメッセージのなかでいちばん短くて、いちばん確かな返事だと言います。
この記事は、四人が初めて一つのテーブルを囲んだ月曜日の夜の物語であり、バンイマッコルを初めて訪れる人のための案内でもあります。松坡区芳荑洞のバンイマッコルは「芳荑洞のグルメ通り」とも呼ばれ、松坡区庁の隣のKTプラザの向かいから始まる旧グルメ通りと、オリンピック公園南2門の向かいの新グルメ通り、大きく二つに分かれます。蚕室駅のどの出口から出ればいいか、バスはどこで降りるか、二つの通りはどう違うか、石村湖ルミナリエと同じ夜につなげるにはどう動けばいいかを、四人の歩く順に紹介します。
The Cue
バンイマッコルは松坡区芳荑洞にある飲食店街で、「味の通り」と呼べるほど飲食店が集まっていることから、「芳荑洞のグルメ通り」とも呼ばれています。松坡区庁の隣のKTプラザの向かいから始まり、1990年代初めから形成された旧グルメ通りと、その後オリンピック公園南2門の向かいにできた新グルメ通りの二つに分かれます。8号線蚕室駅10番出口から松坡区庁まで徒歩1分、2号線蚕室駅1番出口からは5分で、松坡区庁の交差点を右折するとバンイマッコルの通りです。蚕室観光特区の中にあり、石村湖ルミナリエと同じ夜に組み合わせやすい場所です。
- どこ: ソウル松坡区芳荑洞。起点は松坡区庁(オリンピック路326)の隣、KTプラザの向かいです。
- 地下鉄: 8号線 蚕室駅10番出口 → 松坡区庁まで100m直進、徒歩1分。2号線 蚕室駅1番出口 → 松坡区庁まで徒歩5分。松坡区庁の交差点を右折するとバンイマッコルです。
- バス: 支線バス3216・3313・3315・3414番、松坡区庁前下車。バス停は「松坡区庁・KT松坡支社のすぐ前」と「向かい側」の2か所です。
- 二つの通り: 旧グルメ通り(松坡区庁側、1990年代初めから)・新グルメ通り(オリンピック公園南2門の向かい)。松坡区庁からオリンピック公園南2門までは歩いて23分ほど(1.7km余り)です。
- 混む時間: 昼休みは周辺の会社員で大混雑します。
- 一緒に回るなら: 石村湖ルミナリエ 2026年10月30日(金)〜2027年2月28日(日)、同じ蚕室観光特区の中です。
- 問い合わせ: 松坡区 観光振興課 観光企画チーム 02-2147-2107。
松坡区庁の「アクセス」で選んだ出口と、イーサンが描いてきた図面
案内役を引き受けた日から、イーサンはその役目をエンジニアらしく受け止めています。最初に開いたのは、松坡区の文化観光サイトにあるバンイマッコルの案内でした。バンイマッコルは松坡区庁の隣にあるKTプラザの向かいから始まり、地下鉄なら2号線蚕室駅1番出口か8号線10番出口を出て、松坡区庁の交差点を右折するとバンイマッコルの通りです。イーサンはその二つの文から、この通りの基準点が松坡区庁だと気づきました。
そこで出口を選ぶときは、松坡区庁の「アクセス」を開きました。8号線蚕室駅10番出口からは100mまっすぐ歩いて1分、2号線蚕室駅1番出口からは歩いて5分で松坡区庁に着きます。イーサンは手帳に二つの出口から出発する線を引き、短い線に「8号線 — 10 — 1分」、長い線に「2号線 — 1 — 5分」と書き込みました。二本の線が出会う場所が松坡区庁で、そこから一度折れた線の先に小さな十字を打ち、「起点」と書いておきました。
蚕室駅は2号線と8号線が乗り入れる大きな駅で、どの路線で来たかによって出る出口が変わります。8号線なら10番、2号線なら1番出口を覚えておきましょう。初めてなら、スマートフォンの地図にまず「松坡区庁」を入れておき、区庁の前に着いてから交差点を右折する順に動くと迷いません。
バスで来る人のための行も一つありました。松坡区庁前には支線バス3216・3313・3315・3414番が停まり、バス停は「松坡区庁・KT松坡支社のすぐ前」とその「向かい側」の2か所です。ルルが家からバスで来ると言ったので、イーサンはバス停の名前を二つともそのまま書き写してルルに送りました。どちらで降りても区庁前なので、そこで会えばいいという説明も一行添えています。
イーサンは図面を紙の上だけで終わらせませんでした。月曜日の午前の会議が蚕室のあたりで早く終わったので、昼休みに8号線蚕室駅10番出口から起点まで一人で歩いてみたのです。工場に新しい設備を入れる前に、図面を持ってまず現場を歩くのと同じ順番でした。昼休みの通りは周辺の会社員で人があふれ返っていて、イーサンは道の端によけ、縦型の看板が何層にも掛かった通りを写真1枚に収めました。

8号線蚕室駅10番出口から1分、松坡区庁前に初めてそろった四人
夕方6時半、イーサンはもう一度8号線蚕室駅10番出口から地上に出ます。今回も約束より10分早い到着です。昼に一度歩いた道なので、区庁前まではほんとうに1分で足り、日が暮れたあとの区庁の建物と道の向こうの商店には明かりがついています。イーサンはルルのバスがどのあたりかを尋ねる代わりに、手帳の十字の上にもう一度鉛筆の先を押し当てます。
次に現れたのはルルです。支線バスを降りたルルはバス停から数歩でイーサンを見つけ、石村湖のときと同じで、背の高いイーサンがまず目に入ったと笑います。ソウルで生まれ育った20歳のルルは、今日もスマートフォンで短い動画を撮るつもりです。最初の場面はイーサンが描いてきた図面がいいと言うと、イーサンは照れながらも手帳を開いて、二つの出口から延びる線を見せます。
最後に、2号線のほうからマヤとリナが一緒に歩いてきます。二人は1番出口から出て、区庁までの5分の道をおしゃべりしながら来たそうです。シンガポール出身の21歳のマヤがリナの腕をそっと引いて前に立たせ、「リナです。手帳、持ってきたって」と先に紹介します。リナはぺこりと頭を下げ、初めて会う二人に、手に持った手帳を半分ほど持ち上げて見せます。

イーサンとリナは初対面で、ルルとリナも同じです。ルルは話でしか聞いていなかった人が目の前に立っているのが不思議なのか目を丸くし、イーサンは「イーサンです。今日は道案内の担当です」と韓国語でゆっくり挨拶します。リナが少し驚いた顔で「韓国語で話していいんですよね?」と聞き返したので、四人の最初の会話はどの国の言葉で話すかを決めるところから始まります。結局、韓国語にしようということで、四人ともうなずきました。
ルルは動画を撮る前に、まずリナに尋ねます。顔が映っても大丈夫か、嫌なら手と手帳だけを撮るから、と。リナは少し考えてから、今日は手と手帳だけでお願いしますと答え、ルルはその場でスマートフォンの角度を下げます。望遠市場で、店の人にまず断ってからスマートフォンを構えていたルルを覚えているイーサンは、その様子を見て静かに笑います。
松坡区庁の交差点を右折、KTプラザの向かいの起点と光るアーチ
イーサンが先に立って歩きます。松坡区庁の交差点を右折するとバンイマッコルの通りで、バンイマッコルは松坡区庁の隣のKTプラザの向かいから始まります。イーサンは昼に歩いたとおり交差点で向きを変え、道の向こうの通りの入口を手で指します。「ここが図面の最初の点です」。リナはそれを聞くとすぐに手帳を開き、最初の欄に「起点 — 区庁の隣の向かい」と書き込みます。
通りに入ると、車道の上に大きく架かったアーチ形の照明が目に入ります。二重の白い光の帯が色とりどりの縞模様の柱から立ち上がって中央で出会い、その真ん中ではオレンジ色の吹き出し形の看板が通りの名前を照らしています。両側に並ぶ商業ビルにはそれぞれ看板が何層にも灯り、通りの奥のほうまで明かりが続いています。明かりのついたアーチはまるで通りの門のようだと、イーサンが独り言のように言います。

マヤはアーチを見るなり足を止めます。いつも全体の構図から決めるマヤは、アーチを画面の上いっぱいに入れず、アーチの下に続く看板の光が画面の中央に集まるように数歩下がります。車が通る道なので車道には出ず、歩道の端で膝を少し曲げて角度を合わせます。アーチを写真に収めたいなら、マヤのように歩道で体を低くしてみてください。照明は車道の上に架かっているので、道の真ん中に出なくても、低い角度からアーチと通りの明かりを一枚に入れられます。
リナは写真の代わりに、アーチの形を手帳に写します。2本の柱とその上の曲線、真ん中の小さな丸を描き、横に「門」とひと文字だけ書きます。イーサンはその絵をのぞき込んで、自分の図面にはこのアーチがないことに気づきます。線と数字だけで描いた図面には、通りの門のようなものを入れる場所が最初からなかったのです。
旧グルメ通り、1990年代初めに松坡区庁とともにできた通りの昼と夜
アーチをくぐって歩くあいだ、イーサンは昼に撮った写真を取り出して見せます。同じ道なのに、昼は赤・黄・緑の突き出し看板が曇り空の下にぎっしり並び、今はその看板に明かりが入っています。この通りは周辺の会社員の昼食と夕食を支える、松坡区を代表するグルメ通りです。蚕室駅に近く飲食店が多いので、いつも人でにぎわい、昼休みにはその混雑が人の波と言えるほどになります。
マヤはイーサンの昼の写真と、撮ったばかりのアーチの写真をスマートフォンの画面に並べます。構図はほとんど同じなのに、昼の写真では看板の色が、夜の写真では光の線がまず目に入ると言います。「同じ通りなのに、昼は色を見て、夜は線を見ちゃうんですね」。ルルはその言葉を動画の説明文に必ず入れたいと言って、二枚の写真が並んだ画面をスマートフォンでもう一度撮ります。

この通りに積み重なった時間は、イーサンが用意してきた話でした。旧グルメ通りは、松坡区庁ができた1990年代初めから形づくられ始めました。松坡区そのものが1988年1月1日に江東区から分かれて新しくできた区なので、この通りは区庁とほぼ一緒に育ったことになります。リナはこの話を聞いて、最初の欄の横に「1988 — 松坡区」と「1990年代初め — 旧グルメ通り」を並べて書きます。
昼と夜のどちらに来るかは、何を見たいかで選べば大丈夫です。会社員でいっぱいの通りの活気を見たいなら昼休みに、アーチと看板に明かりが入った通りを歩きたいなら日が暮れてから来ましょう。ただ、日が暮れてからも仕事帰りの会社員で人が多いので、何人かで来たときはお互いを見失わないよう、ゆっくり歩きましょう。動画を撮っていたルルも、店の中やお客さんの顔は撮らず、撮るたびに建物の壁際に寄って短く撮り、すぐに脇へよけていました。
旧グルメ通りと新グルメ通り、二冊の手帳で分けて見るバンイマッコル
しばらく通りを歩いたところで、イーサンが歩みをゆるめます。図面にあるのは起点一つとそこから延びる通りの線が何本かだけでしたが、バンイマッコルは大きく二つに分かれています。今歩いているのがいわゆる「旧グルメ通り」で、その後オリンピック公園南2門の向かいに「新グルメ通り」ができました。イーサンは案内でそのくだりを読んでも二つを一枚の図面に収められると思っていましたが、松坡区庁からオリンピック公園南2門までは歩いて23分ほど、1.7km余り離れていたのです。
「図面の縮尺を間違えましたね」。イーサンが照れくさそうに笑うと、リナは黙って自分の手帳を開き、イーサンのほうへ向けます。手帳を持っていくと書いた日の夜、リナはバンイマッコルが二か所あると読んで、まず欄を分けておいたのです。左の「旧」の欄には「区庁の隣の向かいから始まる」、右の「新」の欄には「オリンピック公園南2門の向かい」と「その後」と書いてあります。今度はイーサンが、線ごとに分単位の数字がついた自分の図面を差し出します。

二人はお互いの手帳を一枚ずつめくってみます。イーサンの手帳には石村湖の二つの湖とノドゥル島の楕円が、リナの手帳には東大門の生地売り場のフロアの欄と、北ソウル夢の森で集めた色の名前が入っています。リナはイーサンの図面に数字のない線が一本もないことに驚き、イーサンはリナの欄に日付と名前がぎっしり書き込まれていることに驚きます。マヤはその様子を見ながら、北ソウル夢の森のバスの中で一人で想像していたのがまさにこの場面だと、ルルに小声でささやきます。
イーサンはリナの二つの欄を見て、自分の図面に線をもう一本引きます。区庁からオリンピック公園南2門のほうへ長く延びる線で、その先に二つ目の十字を打ったあと、初めて線の横に数字ではなく「新」という名前をつけます。リナは反対に、自分の「新」の欄の下に「23分」と数字を一つ書き加えます。初めて会った二人はまだお互いに敬語で少し遠慮がちですが、手帳の上ではもう相手のやり方を一つずつ借りています。
初めて訪れる人も、この二か所を分けて知っておけば迷うことが減ります。松坡区庁の隣のKTプラザの向かいから始まるほうが旧グルメ通り、オリンピック公園南2門の向かいが新グルメ通りです。蚕室駅で降りて軽く夕食だけとるつもりなら区庁側の旧グルメ通りが近く、オリンピック公園での予定とつなげるなら新グルメ通りのほうも候補になります。両方歩いてみたいなら、松坡区庁から南2門のほうまで歩いて23分ほどかかることを夜の予定に入れておきましょう。
松坡区庁からオリンピック公園南2門のほうへ歩いて23分、芳荑洞という名前の二つの話
新グルメ通りまで行くかどうかは、四人で一緒に決めます。イーサンのもともとの計画は旧グルメ通りで夕食をとることでしたが、リナの「新」の欄が空いているのが、イーサンにも気になっていたようです。マヤは歩きながら街を見るのが好きだと言い、ルルは歩く道も動画に残したいと言います。そこで四人は新グルメ通りで夕食をとることにして、スマートフォンの地図に「オリンピック公園南2門」を入れて歩き出します。
松坡区庁から南2門までは歩いて23分ほどなので、夜の散歩がてら歩くのにちょうどいい距離です。足が不自由だったり時間がぎりぎりだったりするなら、バスを考えてもいいでしょう。オリンピック公園南2門のほうへは3216・3412・3413・3414・30・30-5・35番のバスが走っていて、そのうち3216番と3414番は松坡区庁前にも停まる番号です。

歩きながら、イーサンは用意してきた話をもう一つ持ち出します。芳荑洞という名前にまつわる話で、二通りに伝わっているものです。一つは、丙子胡乱のとき清の軍がこの村を通って南漢山城へ向かおうとしたところ、村の若者たちが清軍を退けたので、清軍を防いだという意味で防夷洞と呼ばれたという話です。もう一つは、その後村の学者たちが、地形が穏やかでレンギョウの花がたくさん咲く美しい土地だとして、「芳(かぐわしい)」の字を入れて芳荑と書き改めたという話です。
リナはこの話を手帳に写すとき、二つの名前を一つの欄にまとめず、上下に分けます。上には「防 — ふせぐ」、下には「芳 — かぐわしい」と書き、その間に矢印を一本引きます。イーサンは同じ音の名前が漢字だけ変わって意味が変わったのが面白いと言い、図面も改訂版が出るたびに同じ線が違う意味を持つようになるのだと話します。ソウルに住んでいても初めて聞く話だというルルは、今日の動画のタイトル候補に「ふせぐ町、花の町」と書き込みます。
四人が向かう南2門は、オリンピック公園の門の一つです。オリンピック公園は1988年のソウルオリンピックを記念して整備された公園で、六つの競技場があるスポーツ区域と、百済初期の文化遺跡である夢村土城を中心とした区域の、大きく二つに分かれます。イーサンがこの話をすると、リナはもう一度手帳を開きます。さっき書いた「1988 — 松坡区」の下に「1988 — オリンピック公園」がもう一行加わると、リナは同じ年が二度出てくる欄をイーサンに見せて、初めて声を出して笑います。
オリンピック公園南2門の向かいの新グルメ通りで、四人が選んだ夕食
新グルメ通りに着くと、リナは空いていた「新」の欄から埋め始めます。新グルメ通りは、旧グルメ通りが定着したその後に、オリンピック公園南2門の向かいにできた通りです。イーサンは図面の二つ目の十字の横に小さなチェックをつけ、マヤは道の向こうの公園側の暗さと通りの明かりが一枚に収まる場所を探して、しばらくあたりを見回します。片側は明かり、片側は暗がりで、同じバンイマッコルでも区庁側とは写真の重さが違うとマヤは言います。
夕食を選ぶ前に、イーサンは通りを一度端まで歩いてみようと言います。望遠市場で初めてルルに会った日に使った「一周目は見るだけ」のやり方です。ルルはそのメモをまだ覚えているのかと笑い、リナはそのやり方が自分の手帳の欄の分け方に似ていると言います。一周し終えたあと、四人は四人で一つのテーブルに座れる店を選びます。

料理を待つあいだ、ルルはリナに、マヤがグループチャットに送った疑問符を消したページのことを尋ねます。リナは少し照れた顔で手帳の最後のページを開いて見せ、消した跡がうっすら残る「芳荑洞」の下、「手帳を持っていく」の横には小さなチェックがついています。「手帳に絵を描く人がいるって聞いたので。それは自分の目で見なきゃと思って」。リナの答えに、マヤはテーブルの下でルルの袖をそっと引きます。
イーサンはその言葉に笑いながら、自分も今日リナの欄を見て学んだことがあると言います。図面は道を正確に示してくれるけれど、その道で何を見たかまでは残せない、ということです。リナの欄には「1988」や「防・芳」、そしてアーチを描いた「門」のように、イーサンの図面にないものが入っています。リナはそれに答える代わりに、イーサンの線の横に書かれた分単位の数字を、自分もこれから欄ごとに一つずつ書いてみると言います。
四人が夕食をとっているあいだも、通りには仕事帰りらしい人たちが次々と入ってきます。バンイマッコルは飲食店が集まっていて選べる店が多いぶん、初めてだとどこに入るか長く迷いがちです。何人かで来たときは、イーサンのように先に一周しながら、四人でも五人でも一緒に座れる席がありそうな店に目星をつけておき、回り終えてから選ぶと楽です。
石村湖ルミナリエと同じ夜に、蚕室観光特区の中のバンイマッコル
夕食を終えて店を出ると、マヤは先週の金曜日に石村湖で撮った写真をリナに見せます。リナはまだルミナリエを見ていないのです。石村湖のルミナリエ「湖の秋と冬、そしてルミナリエ」は、2026年10月30日から2027年2月28日まで石村湖の東湖・西湖で開かれます。リナは写真を一枚ずつめくりながら手帳に「石村湖 — 2月まで」と書き、今度はその横に何の印もつけません。
バンイマッコルと石村湖は、同じ蚕室観光特区の中にあります。蚕室観光特区はロッテワールドから石村湖、松理団通り、バンイマッコル、芳荑市場を通ってオリンピック公園まで続く面積2.75㎢の区域で、バンイマッコルはその主な観光資源に名を連ねています。石村湖を一周すると、桜やロッテワールド、カフェ通り、松理団通りと並んで、芳荑洞のグルメ通りもその風景に入ってきます。イーサンは特区の一覧を手帳に写していて、金曜日の湖と今日のバンイマッコル、道の向こうのオリンピック公園がすべて一本の線の上にあることに気づきます。「一枚の図面じゃなくて、路線図だったんですね」。

ルミナリエの期間にこのあたりを訪れるなら、イーサンが金曜日と月曜日に分けて歩いた順番を一晩でつなげてみましょう。夕暮れどきに石村湖で明かりが灯るのを見て、夕食はバンイマッコルでとる順番です。バンイマッコルへ行くときは地図に「松坡区庁」を入れて向かい、区庁の交差点で右折すれば、初めての人でも起点を見逃しません。
次の出張の道、リナがイーサンの手帳の最後のページに書いた一行
帰り道は二手に分かれます。家がバス路線上にあるルルは3216番に乗ることにし、イーサンはマヤとリナを蚕室駅まで送ると言って、また区庁のほうへ歩くことにします。バスを待つルルは、今日撮った手と手帳の動画を先にリナに送ると言います。リナは頭を下げてお礼を言い、次は顔が少し映っても大丈夫かもしれない、ととても小さな声で付け加えます。
区庁のほうへ歩く道で、リナはイーサンに次の出張はいつかと尋ねます。イーサンはまだ決まっていないと答えながら、ソウルに来るといつも夜に市場と路地ばかり歩き回っていると笑います。リナは少し考えてから、イーサンに手帳を借りてもいいかと聞きます。イーサンが最後のページを開いて渡すと、リナは鉛筆で一行、ていねいに書きます。

「鍾路3街 — 西巡邏道 — 朝」。リナが一人で歩いてみた朝の道です。夜の市場と路地ばかり歩くイーサンに、日が差し始めたばかりの時間に歩くソウルを一度見せたかったのだとリナは言います。イーサンはその一行をしばらく見下ろしてから、リナから鉛筆を受け取って、その横に小さな疑問符を一つ描きます。次の出張がまだ決まっていないので、今できるいちばん正直な答えだというのです。
リナはその疑問符を見て、笑いをこらえきれません。自分が今日消してきたのとまったく同じ形だったからです。「その疑問符は、次に来たときに消してくださいね」。イーサンはうなずいて手帳を閉じ、マヤはその場面を写真ではなく目だけに収めます。三人は蚕室駅に着くまで、誰も手帳を開きませんでした。

その夜、マヤは写真フォルダの名前を決めます。石村湖のフォルダは「Promise」で、次のフォルダの名前は芳荑洞で決めることにしていたのです。マヤが選んだ名前は「二冊」でした。ルルは手と手帳だけを撮った動画に「ふせぐ町、花の町」というタイトルをつけて四人のグループチャットに送り、リナはその動画の下に、今日埋めた手帳のページの写真をもう1枚送ります。「旧」と「新」の二つの欄はどちらも埋まっていて、「新」の欄のいちばん下には、イーサンから借りた数字「23分」が書かれています。
Common Mistakes — よくある失敗
路線に関係なく、どの出口からでも出る
8号線は蚕室駅10番出口(松坡区庁まで1分)、2号線は蚕室駅1番出口(松坡区庁まで5分)です。
起点を知らずに行く
起点は松坡区庁の隣、KTプラザの向かいです。地図に「松坡区庁」を入れて向かい、区庁の交差点を右折しましょう。
バンイマッコルを一か所だと思う
旧グルメ通り(松坡区庁側)と新グルメ通り(オリンピック公園南2門の向かい)の二か所です。松坡区庁から南2門までは歩いて23分ほどかかります。
アーチを撮ろうと車道に出る
照明のアーチは車道の上に架かっています。歩道で体を低くして撮りましょう。
昼休みにのんびり歩くつもりで行く
昼休みは周辺の会社員で大混雑します。
FAQ — よくある質問
バンイマッコルへはどう行きますか?
8号線蚕室駅10番出口から松坡区庁まで100m、徒歩1分です。2号線なら蚕室駅1番出口から5分です。松坡区庁の交差点を右折するとバンイマッコルの通りです。
バスでも行けますか?
支線バス3216・3313・3315・3414番に乗り、松坡区庁前で降ります。バス停は「松坡区庁・KT松坡支社のすぐ前」と「向かい側」の2か所です。
旧グルメ通りと新グルメ通りはどう違いますか?
旧グルメ通りは松坡区庁ができた1990年代初めからできた松坡区庁側の通りで、新グルメ通りはその後オリンピック公園南2門の向かいにできた通りです。
石村湖ルミナリエと一緒に回れますか?
どちらも蚕室観光特区の中です。ルミナリエは2026年10月30日から2027年2月28日まで、石村湖の東湖・西湖で開かれます。
芳荑洞という名前の由来は?
丙子胡乱のときに村の若者たちが清軍を防いだので防夷洞、のちにレンギョウがたくさん咲く美しい土地だとして芳荑と書くようになった、という二つの話が伝わっています。
問い合わせ先は?
松坡区 観光振興課 観光企画チーム、02-2147-2107です。
Recap — 出発前の30秒
- 8号線蚕室駅10番出口 → 松坡区庁1分 / 2号線蚕室駅1番出口 → 5分
- 松坡区庁の交差点を右折、KTプラザの向かいからバンイマッコルが始まる
- 支線バス3216・3313・3315・3414番、松坡区庁前下車
- 旧グルメ通り(区庁側)・新グルメ通り(オリンピック公園南2門の向かい)、区庁 → 南2門は歩いて23分ほど
- 昼休みは会社員で大混雑、石村湖ルミナリエ(〜2027年2月28日)と同じ夜に
参考資料
- 松坡区 文化観光 — バンイマッコル芳荑洞のグルメ通りという呼び名 · 昼休みの会社員の混雑 · 松坡区庁隣のKTプラザの向かいが起点 · 1990年代初めから形成された旧グルメ通りと、その後オリンピック公園南2門の向かいにできた新グルメ通り · 区庁交差点で右折 · 区庁前のバス3216・3313・3315・3414番 · 問い合わせ02-2147-2107 · 公式写真の昼の通りと夜の光るアーチ確認 2026-10-26
- 松坡区庁 — アクセスオリンピック路326 · 8号線蚕室駅10番出口から100m直進、徒歩1分 · 2号線蚕室駅1番出口から徒歩5分 · 「松坡区庁・KT松坡支社のすぐ前」と「向かい側」のバス停、3216・3313・3315・3414番バス確認 2026-10-26
- 松坡区庁 観光ガイドブック — 日常と幻想の間、松坡周辺の会社員の昼食と夕食を支える代表的なグルメ通りという紹介 · 石村湖一周の風景に含まれる桜・ロッテワールド・カフェ通り・芳荑洞のグルメ通り・松理団通り確認 2026-10-26
- 松坡区 文化観光 — 蚕室観光特区2026年8月27日指定 · 面積2.75㎢ · ロッテワールド〜石村湖〜松理団通り〜バンイマッコル〜芳荑市場〜オリンピック公園にわたる区域 · 主な観光資源にバンイマッコルと石村湖確認 2026-10-26
- 松坡区庁 芳荑1洞住民センター — ご挨拶丙子胡乱の際に村の若者が清軍を退けて防夷と呼ばれ、後にレンギョウが多く咲く美しい土地として学者が芳荑に書き換えたという地名の伝承確認 2026-10-26
- 松坡区庁 — 松坡の沿革1988年1月1日、江東区から分離して松坡区が新設確認 2026-10-26
- ソウル市 ソウルの公園 — オリンピック公園1988年ソウルオリンピックを記念して整備 · 六つの競技場があるスポーツ区域と夢村土城を中心とする区域 · 開園1988年 · 南2門のバス3216・3412・3413・3414・30・30-5・35番確認 2026-10-26
- 松坡区 文化観光 — 湖の秋と冬、そしてルミナリエ石村湖の東湖・西湖で開催するルミナリエ · 期間2026年10月30日〜2027年2月28日確認 2026-10-26
AIキャラクターと一緒に歩くソウルの物語です。スポット情報は公開資料で確認し、写真はAIで制作した演出画像です。 AI活用について


