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点線一本で無料と有料を分けた日。ノアが時間を書きこんだ地図で歩く、ソウル植物園のグリーニング・デイズ

マゴンナル駅3・4番出口から開かれた森と湖水園を抜け、植物文化センター2階の無料標本展示(11月は希少植物)と温室・主題庭園へ — 11月からは17時閉園、入場は16時まで

同じ植物園のなかに、チケットを買って入るエリアと、そのまま歩いて入れるエリアが分かれていました。ノアは手帳に点線を一本引き、時計が付くほうから先に歩くことにします。

晩秋の午後、広く静かな湖のほとりの道を歩きながら、対岸の低く横に広いガラス温室を眺めるノア。片手に閉じた手帳、リュックの肩ひもにかけた親指、枯れた湿地の草と木々の向こうの中層ビル。編集イメージ。

11月最初の金曜日の午後、ノアは9号線のマゴンナル駅で降り、改札を出る前にまず手帳を開きます。今日描く地図のいちばん上には、もう線が一本引いてあります。長くつないだ実線ではなく、短く切って引いた点線です。カナダから来た20歳のノアは、初めての街を手帳に地図として描く人で、最近はその地図に時間まで書きこんでいます。けれど今日は時間より先に、この点線一本を地図のどこに引けばいいのかが気になっていました。

地下鉄駅の連絡通路の明るい出口側で、開いた手帳のいちばん上に鉛筆で短い点線を引くノアの斜めの横顔。口元だけ少し上がった考え込む表情と、ぼやけた外の光。編集イメージ。
マゴンナル駅で、手帳のいちばん上にまず点線を一本。

ノアが選んだのは、江西区麻谷洞(マゴクドン)にあるソウル植物園です。2018年10月に市民に開放され、2019年5月に正式に開園し、2021年にはソウル特別市第2号の公立樹木園に登録されました。この植物園は、開かれた森・湖水園・湿地園を常時無料で開放し、温室と主題庭園だけで入場料を取っています。同じ植物園のなかに、チケットを買うエリアとそのまま歩いて入れるエリアが分かれていると知ったとき、ノアはその境目が地図の上でどんな形になるのか、自分で描いてみたくなりました。

ノアがここへ来た理由はもう一つあります。植物文化センター2階の廊下で、2026年9月23日から12月31日まで「グリーニング・デイズ:植物、日常になる」という無料の標本展示が開かれていて、11月のテーマは希少植物です。標本ごとの説明板には、その植物を園内のどこで見られるかまで書いてあります。壁に掛かった標本と庭に根を張る植物をつなぐ案内は、道を描くノアにとって、半分描きあがった地図を先に受け取ったようなものでした。

この記事は、ノアのその金曜日の午後をたどるソウル植物園の案内です。マゴンナル駅から開かれた森に入り、湖水園のデッキを渡って植物文化センターへ。2階の「グリーニング・デイズ」を見てから温室と主題庭園を回り、閉まったあとは無料エリアに戻って漢江のほうまで歩きます。11月から2月までは温室と主題庭園が17時に閉まり、入場は16時で締め切られるので、どのエリアから歩くかで一日の形が決まります。ノアがその順番をどう決めたのか、手帳を追いながら順に見ていきます。

The Cue

ソウル植物園(江西区麻谷洞路161)は、開かれた森・湖水園・湿地園を常時無料で開放し、温室と主題庭園だけで入場料を取ります(大人5,000ウォン)。11〜2月の冬季、温室と主題庭園は9:30〜17:00に開き、入場とチケット販売は16:00で締め切り、毎週月曜日が休みです(月曜が祝日の場合は翌日)。植物文化センター2階の壁面展示スペースでは、2026年9月23日から12月31日まで無料の標本展示「グリーニング・デイズ:植物、日常になる」が開かれ、11月はツクバネウツギ(Abelia spathulata)など山林庁指定の希少植物15種16点が並びます。9号線・空港鉄道マゴンナル駅の3・4番出口が、開かれた森に直結しています。

始める前に
  • 場所: ソウル植物園、ソウル特別市江西区麻谷洞路161。問い合わせは02-2104-9716。
  • 地下鉄: 9号線・空港鉄道 マゴンナル駅3・4番出口が開かれた森に直結。9号線 ヤンチョンヒャンギョ駅8番出口から主題園まで徒歩10分、5号線 マゴク駅3番出口から開かれた森まで徒歩20分。
  • 無料エリア: 開かれた森・湖水園・湿地園は常時無料、年中無休。植物文化センター2階の「グリーニング・デイズ」も無料です。
  • 有料エリア: 温室と主題庭園。大人(19歳以上65歳未満)5,000ウォン・青少年(13〜18歳)3,000ウォン・子ども(6〜12歳)2,000ウォン。入場券は購入した当日のみ有効。
  • 11月の時間: 温室・主題庭園は9:30〜17:00、入場・チケット販売は16:00まで。毎週月曜休館(祝日の場合は翌日)。
  • 展示: 「グリーニング・デイズ」2026年9月23日〜12月31日、植物文化センター2階プロジェクトホール2横の廊下。11月は希少植物15種16点、12月は特産植物15種18点。
  • 荷物: コインロッカーは冬季9:30〜17:00で、時間外は預けることも受け取ることもできません。温室のなかは暑いので、コートを預けるなら17時前に受け取りましょう。

マゴンナル駅3・4番出口から開かれた森へ、地下鉄直結の進入広場

ソウル植物園への道は、9号線と空港鉄道のマゴンナル駅3・4番出口から開かれた森へと続いています。開かれた森の進入広場は地下鉄の出入口と直接つながる入口スペースなので、駅を出れば道を探すまでもなく、もう植物園のなかです。ノアは手帳のいちばん下の隅に、出発点を小さな丸で描きます。これまでの地図はたいてい、出口から目的地まで長々と線をつなぐ必要がありましたが、今日はその丸と植物園がほとんどくっついていて、少し拍子抜けするほどでした。

カカオマップで見る — マゴンナル駅

開かれた森は、ソウル植物園の入口であり、来園者を案内するスペースでもあります。広場に入ると、周りを囲む森の真ん中に広い芝生広場が広がり、ナラ、桜、カエデが芝生を取り囲んでいます。ビジターセンターと森の文化学校も、この開かれた森にあります。進入広場の浅い鏡の噴水は夏の暑さをしのぐための場所なので、11月のノアの目には、噴水より先に芝生広場を囲む木々が入ってきました。

広い芝生広場の縁を、遠くを見ながら歩くノアの斜め後ろ姿。芝生を囲むナラ・桜・カエデの紅葉と、木々の向こうにのぞく建物。編集イメージ。
開かれた森の芝生広場、ナラと桜とカエデに囲まれた縁。

ほかの行き方もあります。9号線 ヤンチョンヒャンギョ駅8番出口からは歩いて10分で主題園側に着き、5号線 マゴク駅3番出口からは歩いて20分で開かれた森です。ノアがマゴンナル駅を選んだのは、ひとえに地図のためでした。開かれた森から歩き始めれば、無料エリアを通って有料エリアに入る順番を一本の線で描けるからです。初めて訪れる人も、マゴンナル駅から入れば植物園のつくりを入口から順に見ながら進めるので、道に迷いにくくなります。

無料エリアと有料エリア — 開かれた森・湖水園・湿地園は常時無料、温室・主題庭園は大人5,000ウォン

芝生広場の縁で立ち止まったノアは、まず今日の点線をどこに引くかを決めます。ソウル植物園で入場料がかかるのは温室と主題庭園だけで、開かれた森と湖水園、湿地園は常時無料で開いています。無料エリアは年中無休、温室と主題庭園は毎週月曜日が休みです。月曜が祝日なら、その翌日が休みになります。ノアは無料エリアを鉛筆で薄く塗り、温室と主題庭園の周りにだけ点線を引きました。

料金は大人(19歳以上65歳未満)5,000ウォン、青少年(13〜18歳)3,000ウォン、子ども(6〜12歳)2,000ウォンで、入場券は買った当日しか使えません。ノアは点線の内側に小さなチケットの形を描き、「5,000」と書きこみます。それから地図を見直すと、おもしろい形が目に入りました。点線の外の無料エリアには時計を描く必要がないのに、点線の内側には時計がずらりと並ぶことになるのです。ノアにとって今日の点線は、お金を払う境目である前に、時間のある場所とない場所を分ける線でした。

11月から2月までの冬季、温室と主題庭園は9時30分から17時まで開き、入場は16時で締め切られます。地下1階の温室チケット売り場も、冬季は16時でチケット販売を終えます。ノアは点線の内側の角に「16:00入場 / 17:00閉まる」と書き、外側には時計の代わりに「常時」とだけ書きました。そう書いてみると、順番は自然に決まります。時計の付いた点線の内側を先に歩き、時計のない外側は閉まったあとにゆっくり歩くことにしたのです。

この順番は、11月の午後にソウル植物園を訪れる人にそのまま勧めたい歩き方です。無料エリアはいつ行っても開いていますが、温室と主題庭園は16時を過ぎると、その日はもう入れません。ノアは点線の内側に太い矢印を一本描き入れ、無料エリアは来る途中に通りがかりに眺めておくだけにしました。

開いた小さな手帳の上、鉛筆で薄く塗った広い面の縁に沿って短い点線を引き続ける紺のセーターの袖の手。点線の内側に小さな時計の形がいくつか。編集イメージ。
点線の内側は温室と主題庭園、時計が付く側。

湖水園の湿地観察デッキを渡って植物文化センターへ

開かれた森を抜けると湖水園です。湖の周りには散策路と水辺の観察デッキがあり、湖の階段に座って植物園を眺めたり、湿地の植物や留鳥を観察したりできる休憩スペースになっています。湖水園の噴水は4月20日から10月31日までの運転なので、11月の湖では噴水は動いていません。ノアは湖を地図に描きながら噴水の記号を入れようとして、運転期間が終わっていたことを思い出し、ペンを止めました。代わりに、横線を何本か落ち着いて引いておきます。

湖を横切る歩道橋が、湿地観察デッキです。このデッキが湖水園と主題園をつないでいるので、開かれた森から入った人はデッキを渡って主題園のほうへ向かうことになります。主題園は、韓国の自生植物で伝統庭園を再現した屋外の主題庭園と、熱帯・地中海の12都市の植物を展示する温室でできています。ノアはデッキの上で歩みをゆるめ、地図に橋を一本描きました。橋の向こう側から、点線が近づいてきます。

静かな湖を横切る長い木道を歩くノアの横からの遠景。水辺の枯れた湿地植物と水面に映る空、対岸の木々と低い建物。編集イメージ。
湖水園を横切って主題園へ続く湿地観察デッキ。

デッキを渡って着いた植物文化センターは、地中海と熱帯地方の世界12都市の植物を見せる温室と、ボタニックホールや植物専門図書館、プロジェクトホールのように行事や展示が開かれる支援棟でできた建物です。ギフトショップやカフェといった便利な施設もこのなかにあります。2階には植物専門図書館とプロジェクトホール2、ボタニックホール、そして百合の部屋・クレマチスの部屋・オシロイバナの部屋・ツツジの部屋のように花の名前が付いた部屋があります。ノアはフロア案内を見ながら手帳に建物を縦に積み上げて描き、2階の欄に今日最初の目的地の印を付けました。

植物文化センター2階「グリーニング・デイズ」 — 無料の標本展示、11月のテーマは希少植物

「グリーニング・デイズ:植物、日常になる」は、2階プロジェクトホール2横の廊下にある壁面展示スペースで開かれています。期間は2026年9月23日から12月31日までで、観覧は無料です。1階の庭園支援室が毎月新しいテーマで飾るプラントショールームとあわせて行われる、植物標本の展示です。標本はソウル植物園の栽培温室で増やした植物から植物研究所が自ら作ったもので、保護と関心が必要な自生植物を紹介しています。点線の外、無料側にある展示だと確かめたノアは、2階の欄を鉛筆で薄く塗りました。

展示の出発点は、ごく普通の風景です。道端の木、花壇の花、窓辺の小さな鉢植えのように、毎日すぐそばを通り過ぎるのに、じっくり見る機会はあまりない植物たちです。ノアはその文章を読みながら、自分の地図を思い浮かべました。ノアの地図では、木はいつも丸一つ、花壇は小さな点がいくつか、それだけだったからです。ソウルで道を描きながら数えきれないほどの木の前を通ってきたのに、一度も名前で書いたことがないのが、少しきまり悪く感じられました。

標本は月ごとにテーマが変わります。11月はツクバネウツギなど山林庁指定の希少植物15種16点、12月はAruncus aethusifoliusなど山林庁指定の特産植物15種18点が掛けられます。つまり11月に行く人と12月に行く人は、同じ廊下で別の標本に出会うことになります。ノアは2階の欄の横に「11月 = 希少植物15種16点」と書き、その下に小さな字で「12月 = 特産植物」と書き足しました。ひと月後にまた来れば、同じ壁が別の地図になるということです。

片側の壁に濃い木の額が二列に並ぶ明るく長い廊下の窓際で、体を半分ひねって壁を見るノア。開いた手帳と鉛筆、ぼかした額。編集イメージ。
植物文化センター2階「グリーニング・デイズ」、11月は希少植物15種16点。

標本の説明板にある「園内観覧場所」 — 標本から庭へつなぐ地図

標本ごとの説明板には、植物の名前と主な特徴、花が咲いたときの写真、そして園内観覧場所がいっしょに書いてあります。標本を見たら、実際の庭で生きている植物を探してみてほしい、という案内です。ノアにとっては、この最後の欄が今日の展示のいちばん大事なところでした。廊下の壁に掛かった標本の一つひとつが、植物園の地図のどこかにある点と対になっているということなのですから。

ノアは標本の前で、名前より先に観覧場所の欄を読みます。そして手帳の植物園の地図に、説明板に書かれた場所ごとに小さな葉の形の印を一つずつ付けていきます。葉が増えるほど、今日歩く道が廊下から庭のほうへ先に引かれていくようでした。そのあとでようやく、ノアは標本に目を戻し、葉の筋や茎の形、花の並び方を順に見ていきます。場所を先に知ると、乾いた標本も、どこかで今まさに育っている植物に見えてきました。

初めて行くなら、この観覧場所の欄をスマートフォンにメモしておくと便利です。標本を見てから庭に出ると、どこから探せばいいのか途方に暮れがちですが、場所を控えておけば、温室と庭を歩きながら一つずつ照らし合わせられます。廊下の壁に沿って並ぶ展示なので、ノアも説明板の前では前の人が読み終わるまで待ってから、自分の番で手帳を開きました。お互いに少しずつ譲り合いながら見れば、みんなが気持ちよく見られます。

開いた小さな手帳の手描きの植物園の略図に、鉛筆で小さな葉の印を一つずつ付ける紺のセーターの袖の手。鉛筆の先でできあがったばかりの葉の印。編集イメージ。
説明板の園内観覧場所ごとに、葉の印を一つ。

同じ2階では、寄贈作家イ・ソングンの「植物園の家族」も2026年12月31日まで開かれていて、植物文化センターのプロジェクトホール2と温室、主題園、麻谷文化館にまたがる《やさしい均衡:互いを映す》が2027年5月16日まで続きます。この展示と連動したイ・ジヨン作家のワークショップ〈わたしの虹、わたしたちの虹〉は、ノアが訪れた翌日の11月7日土曜日の14時から16時まで開かれ、予約はソウル植物園のお知らせで案内されている公共サービス予約で受け付けます。ノアはこの名前を、2階の欄の横に小さく書いておきました。

1階の庭園支援室では、11月8日までプラントショールーム「緑、なか」が開かれています。透明なテイクアウトカップを使った水耕栽培のアイデアを見せる展示で、庭園支援室は火曜日から日曜日の10時から17時まで開いています。植物を育てていてわからないことがあれば、ソウル植物園のガーデナーに相談できる庭園相談所もここにあります。11月の第1週に行けば2階の標本と1階のショールームを一度に見られるので、ノアは1階の欄に「17:00」をもう一つ書き加えました。

地下1階の温室チケット売り場 — 冬季のチケット販売は16時まで、コインロッカーは17時まで

2階を出たノアは、地下1階へ下ります。地下1階には温室のチケット売り場と温室の入口、案内デスク、そして企画展示室と常設展示館があります。温室と主題庭園の入場券はここで買いますが、冬季はチケット販売が16時で締め切られます。ノアがチケット売り場の前に立ったのは、14時半ごろでした。手帳の「16:00」の横に小さくチェックを付けてから、ノアはようやくチケットを手にします。

チケットを買うと、コートのことが気になってきました。温室のなかはかなり暑く、11月の外の空気に合わせて着てきたコートは、温室では荷物になるに決まっています。コインロッカーは植物文化センターの温室チケット売り場入口と駐車場専用エレベーター前(13〜40番)、1階の温室出口の両側(41〜68番)、そして開かれた森のビジターセンター(1〜12番)にあります。ノアはチケット売り場入口側のロッカーにコートを入れようとして、運営時間を見て手を止めました。

コインロッカーは冬季、9時30分から17時までしか使えず、毎週月曜日は休みです。運営時間外は、荷物を預けることも受け取ることもできません。閉まったあとに無料エリアを歩くという今日の計画どおりなら、コートは17時前に必ず受け取って出なければならないということです。ノアは時計の欄に「17:00 コート」と書いて二重線の下線を引いてから、ようやくコートを預けました。

11月の午後に荷物を預けるなら、これだけは覚えておきましょう。温室と主題庭園が閉まる時刻とコインロッカーが閉まる時刻は、同じ17時です。最後まで庭にいると、ロッカーの前で慌てることになりがちです。ノアのように、閉まる数分前をロッカーのために先に取っておくと安心です。地図に時間を書く癖が、今日はコート一着を守ってくれたことになります。

天井の高い明るいロビーの片隅で、腕にコートをかけたまま腕時計を見下ろすノアの真剣な表情。開いた手帳、背後にぼやけた白い柱と緑の植物の壁。編集イメージ。
冬季のチケット販売は16時まで、ロッカーは17時まで。

温室の12都市 — 熱帯館の4都市と地中海館の8都市を世界地図に

温室に入ると、蒸し暑い空気がまずノアを迎えます。ソウル植物園の温室は、熱帯と地中海性気候の世界12都市の植物を見せる場所です。熱帯館にはハノイ、ジャカルタ、サンパウロ、ボゴタが、地中海館にはバルセロナ、サンフランシスコ、ローマ、タシケント、アテネ、パース、イスタンブール、ケープタウンがあります。都市の名前で植物を分けた温室だなんて、ノアは入口から思わず笑ってしまいました。

ノアは手帳の新しいページに、ごく大ざっぱな世界地図を描きます。大陸の輪郭はいい加減でも、都市に印を付けるには十分です。熱帯の4都市は緑の点、地中海の8都市はオレンジの点で付けていくと、一つのガラス屋根の下に集まった12の都市が、地球の上ではこんなに遠く散らばっているのがひと目でわかりました。カナダのあたりには点が一つもありませんでしたが、サンフランシスコに印を付けるときは、同じ大陸というだけでなんだかうれしくなりました。

温室には約3,700種の花や葉、実があります。そのすべてを見ようとするより、ノアのように都市の名前をたどって12か所を順に歩く方法を試してみてください。熱帯館から地中海館へ移りながら、見終わった都市に一本ずつ線を引いていけば、どこまで見たのか迷いません。ノアは都市ごとに点の横へ入った時刻を小さく書いていき、その時刻の間隔から、どの都市に長くいたのかがあとでそのまま見えてきました。

ガラス温室の高い空中通路の手すりに両腕をのせ、下に茂る熱帯の葉を見下ろすノアの横顔。頭上のガラス天井の骨組みと明るい午後の光。編集イメージ。
温室の上を横切る空中通路、スカイウォーク。

温室の上空を横切るスカイウォークも見逃さないでください。温室の上を通る空中通路で、熱帯植物をひと目で見下ろせる観覧路です。ノアにとって、この通路は今日いちばんうれしい場所でした。地図を描く人はいつも、上から見た姿を頭のなかで想像しなければなりませんが、ここではその姿を実際に見られるからです。ノアは通路の上から、熱帯館のなかの道がどうつながっているかをそのまま写し取りました。

温室のなかは本当に暑いです。熱帯館の入口と地中海館の入口、ローマ広場の噴水には冷風機があり、地中海館のローマ広場の休憩所にはエアコンがあります。コートを預けてきたノアも、熱帯館を歩くあいだに袖をまくり上げました。地中海館のローマ広場の休憩所でしばらく汗を引かせながら、ノアは世界地図のローマの点の横に、小さな雪の結晶を一つ描き入れます。涼しい場所を示すノアだけの記号で、次に来る人にもいちばん先に教えたい場所でした。

主題庭園8か所と麻谷文化館 — 森の庭で12月のテーマに先に出会う

温室を出たノアは、15時40分ごろ主題庭園へ出ました。入場締め切りの16時より前に、点線の内側の二つ目のエリアに入っておきたかったのです。主題庭園は、風の庭、今日の庭、思い出の庭、思索の庭、招待の庭、癒しの庭、庭師の庭、森の庭の8か所に分かれています。ノアは8つの名前を地図に書きながら、温室が都市の名前だったなら、ここは心と時間の名前なのだと気づきました。

風の庭はススキやノガリヤスのようなグラスがつくる異国的な雰囲気を見せ、思い出の庭はかつてはありふれていたのに今は忘れられつつある植物を通して、過去への時間旅行に連れていってくれます。森の庭は、あまり知られていない朝鮮半島の自生種と特産植物で、韓国の伝統的な森を再現した場所です。ノアは「特産植物」という言葉から、2階の廊下の12月のテーマを思い出しました。ひと月後に廊下に掛かる標本のテーマに、庭で先に出会ったことになります。

風に揺れる腰の高さのススキやグラスのあいだの庭の小道をゆっくり歩くノアの斜めからの遠景。逆光で銀色に光る穂。編集イメージ。
風の庭、ススキやノガリヤスのようなグラスのあいだを。

ノアは庭を歩きながら、2階で付けてきた葉の印を何度も見返しました。説明板の観覧場所をたどって歩くうちに、壁に掛かった標本と地面に根を張る植物をつなぐ細い線が、地図の上に一本、また一本と増えていきます。標本で先に見た葉の形を思い浮かべながら歩くと、素通りしていたはずの花壇の前でも、足取りが自然とゆっくりになりました。展示が言っていた「毎日通り過ぎる植物をじっくり見る」ことを、ノアは地図の上でそうやって試していたのです。

主題園には、登録文化遺産の麻谷文化館もあります。日本統治時代の1927〜28年に建てられた旧陽川水利組合の排水ポンプ場で、高さ4mに及ぶコンクリートの構造体の上に木造の構造をのせた建物です。1980年代の都市化で役目を終えたあと、2017年から補強と補修を経て、かつての形と構造に復元されました。水をくみ出していた建物が植物園のなかに残っていることに惹かれ、ノアは地図に小さな四角を描いて「旧ポンプ場」と書きこみました。その土地がもともとどんな場所だったかを教えてくれる建物は、ノアの地図ではいつも太く描かれます。

主題園のなかでは、植物や土を採取したり、観覧ルートの外に入ったりしてはいけません。飲食物とカメラの三脚も持ちこめません。ノアも花壇に近づくたびに、道の外へ足が出ないよう気をつけていました。16時半を過ぎると、ノアは手帳を閉じ、コートを受け取りにチケット売り場入口のほうへ足を向けました。

17時以降の無料エリア — 種子図書館、湖水園の水辺の道、湿地園の漢江展望デッキ

16時50分ごろ、ロッカーからコートを取り出したノアは、手帳の「17:00 コート」に線を引きました。1階に上がると、種子図書館がまだ開いていました。種を本のように借りて育て、そのあと返す図書館で、在来種の種子を約400種展示し、9時30分から17時30分まで開いています。種を貸してくれるという話がおもしろくて、ノアは1階の欄に「17:30」と書き、その横に種の形の点を一つ付けました。種子図書館の横の扉を開けると、ベンチと植物がなじんだサンクンガーデンにそのまま出られるので、足が重くなったときにひと休みするのにちょうどいい場所です。

植物文化センターを出ると、ノアの地図はまた点線の外へ戻ってきました。湖水園の水辺の道は、温室をはじめとする植物園の風景をひと目で見渡すのにいい場所です。ノアは水辺の道から、さっき歩いて出てきた温室のほうを振り返りました。なかで12の都市を歩いたガラスの建物が、外からは一つのかたまりに見えて、同じ場所を内と外から二度描いたことになるなと、ノアはひとりで笑いました。

夕暮れの湖畔の道で、対岸の低く横に広いガラス温室を振り返るノアの後ろ姿と横顔。オレンジから紺に変わる空が映る水面。編集イメージ。
湖水園の水辺の道から振り返った温室。

湿地園は、ソウル植物園と漢江が出会う場所です。自然の遷移を保ち、さまざまな生き物がともに暮らす空間で、漢江の出入口のトンネル(漢江ナドゥルモク)を通って植物園に来ることもできます。漢江展望デッキはオリンピック大路の上を通る歩道橋で、デッキから漢江にすむ鳥を観察できます。鳥の観察台もこの湿地園にあります。ノアは地図のいちばん端、点線からいちばん遠い場所に、漢江を長く描き入れました。

無料エリアは常時開いていて休みもないので、ノアはこの外側の道に時計を一つも描きませんでした。代わりに、歩いた順に矢印だけをつないでいきます。17時に閉まったあとも、歩ける道がこんなに残っていること。それが、今日引いた点線が教えてくれたいちばん役に立つことでした。11月の短い午後にソウル植物園を訪れるなら、有料エリアを先に、無料エリアをあとに歩く順番を試してみてください。

マゴンナル駅へ戻りながら — 点線を引いた3枚目の時間の地図をヒナへ

開かれた森に戻ったノアは、芝生広場の縁で立ち止まり、今日の地図を最初からもう一度たどりました。マゴンナル駅の小さな丸から始まった線は、芝生広場と湖水園のデッキを通って植物文化センターで上へ下へと行き来し、点線の内側に入ってから17時直前にまた外へ抜け出し、漢江まで延びていました。点線の内側には時計がぎっしり並び、外側には矢印だけです。2階の欄には葉の印が、世界地図には12の点と雪の結晶が一つ描かれていました。

ノアの手帳のいちばん後ろには、ハロウィンの夜にトゥクソムでヒナが渡してくれた、道の上に時間を書いた地図が今も挟んであります。そのあとノアは京春線森の道で閉まる時刻を階段のように積み上げてみて、薬令市では消した線と直した線を1枚に残しました。今日は初めて、時間のある場所とない場所を一本の線で分けてみた日です。ノアはそのページを写真に撮って、東京にいるヒナに送りました。「今回は、時計があるところとないところを点線で分けてみました。」

日が沈んだ直後、芝生広場の縁の木の下でスマートフォンの画面を見てほほえむノア。もう片方の手に開いた手帳と、後ろに挟んだ紙一枚の角、遠くの温かな街灯。編集イメージ。
ヒナに送った三枚目の時間の地図。

返事は、ノアが駅側の進入広場に着く前に届きました。「点線の外のほうが広いね。そこはゆっくり歩いていいところでしょ?」ノアは手帳を閉じる前に、2階の欄の横の「12月 = 特産植物」の下に、ひと月後に同じ廊下で付ける葉の印の場所を空けておきました。11月にソウル植物園を訪れるなら、16時より前に点線の内側を先に歩き、閉まったあとは点線の外の湖と漢江のほうへ、ゆっくり歩いて出てみてください。

Common Mistakes — よくある失敗

  • 無料エリアで時間を使いきる

    開かれた森・湖水園・湿地園は常時無料ですが、温室・主題庭園は11〜2月、16時に入場とチケット販売を締め切ります。有料エリアから先に歩きましょう。

  • 16時半にチケット売り場へ行く

    冬季のチケット販売は16時までです。閉まる時刻(17時)と混同しないようにしましょう。

  • ロッカーに荷物を預けたまま庭に最後までいる

    コインロッカーは冬季9:30〜17:00で、時間外は荷物を受け取れません。

  • 厚いコートを着たまま温室に入る

    温室のなかはかなり暑いです。冷風機は熱帯館・地中海館の入口とローマ広場の噴水に、エアコンは地中海館のローマ広場の休憩所にあります。

  • 月曜日に行く

    温室・主題庭園は毎週月曜休館です(祝日の場合は翌日)。無料エリアは年中無休です。

  • 主題園におやつや三脚を持っていく

    主題園のなかでは、飲食物の持ちこみと飲食、カメラの三脚、ペット(盲導犬を除く)が禁止です。

  • 「グリーニング・デイズ」にもチケットが要ると思いこむ

    植物文化センター2階の壁面展示スペースの標本展示は無料です。

FAQ — よくある質問

どうやって行きますか?

9号線・空港鉄道マゴンナル駅の3・4番出口が開かれた森に直結しています。主題園側へは9号線 ヤンチョンヒャンギョ駅8番出口から徒歩10分です。住所はソウル特別市江西区麻谷洞路161です。

どこまで無料ですか?

開かれた森・湖水園・湿地園は常時無料で、年中無休です。入場料がかかるのは温室と主題庭園だけです。植物文化センター2階の「グリーニング・デイズ」も無料です。

入場料はいくらですか?

温室・主題庭園は大人(19歳以上65歳未満)5,000ウォン、青少年(13〜18歳)3,000ウォン、子ども(6〜12歳)2,000ウォンです。入場券は購入した当日のみ有効です。

11月は何時まで入れますか?

11〜2月の温室・主題庭園は9:30〜17:00で、入場とチケット販売は16:00で締め切ります。毎週月曜日は休みです。

「グリーニング・デイズ」はいつ、どこで開かれていますか?

2026年9月23日から12月31日まで、植物文化センター2階プロジェクトホール2横の廊下にある壁面展示スペースです。11月は希少植物15種16点、12月は特産植物15種18点です。

標本を見たあと、庭で本物の植物も見られますか?

標本ごとの説明板に、植物名・主な特徴・開花時の写真とあわせて園内観覧場所が書いてあります。その場所をメモして、庭で探してみてください。

ベビーカーや車いすは借りられますか?

ビジターセンターと植物文化センターのインフォメーションデスクで借りられます(身分証必須)。ベビーカーは36か月未満の乳幼児を連れた来園者に先着順、車いすは歩行が不自由な障害のある来園者が優先です。

問い合わせ先は?

ソウル植物園 02-2104-9716です。

Recap — 出発前の30秒

  • マゴンナル駅3・4番出口 → 開かれた森の進入広場に直結 → 湖水園の湿地観察デッキ → 植物文化センター
  • 無料:開かれた森・湖水園・湿地園(年中無休)+植物文化センター2階「グリーニング・デイズ」
  • 有料:温室・主題庭園 大人5,000ウォン、11〜2月9:30〜17:00・入場とチケット販売は16:00まで・月曜休館
  • 「グリーニング・デイズ」は12月31日まで、11月は希少植物15種16点 — 説明板の「園内観覧場所」をメモ
  • 有料エリアが先、無料エリアは閉まったあと・ロッカーの荷物は17:00前に

参考資料

確認した資料
  • ソウル植物園 お知らせ — 「グリーニング・デイズ:植物、日常になる」2026年9月23日〜12月31日 · 植物文化センター2階の壁面展示スペース(プロジェクトホール2横の廊下) · 無料 · 庭園支援室のプラントショールームとあわせた標本展示 · 11月は山林庁指定の希少植物15種16点、12月は特産植物15種18点 · 説明板の植物名・主な特徴・開花時の写真・園内観覧場所確認 2026-10-27
  • ソウル植物園 観覧案内・料金案内入場料の対象は温室と主題庭園、開かれた森・湖水園・湿地園は常時無料・年中無休 · 大人5,000ウォン・青少年3,000ウォン・子ども2,000ウォン、当日のみ有効 · 冬季(11〜2月)9:30〜17:00、16:00入場締切 · 毎週月曜休館 · 主題園への持ち込み制限確認 2026-10-27
  • ソウル植物園 アクセス — 地下鉄9号線・空港鉄道マゴンナル駅3・4番出口が開かれた森に直結 · 9号線ヤンチョンヒャンギョ駅8番出口から主題園まで徒歩10分 · 5号線マゴク駅3番出口から開かれた森まで徒歩20分確認 2026-10-27
  • ソウル植物園 主要施設 — 植物文化センター温室と支援棟(ボタニックホール・植物専門図書館・プロジェクトホール)の構成 · 2階プロジェクトホール2 · 地下1階の温室チケット売り場・案内デスク・展示室 · スカイウォーク · 種子図書館(在来種の種子約400種、9:30〜17:30) · サンクンガーデン確認 2026-10-27
  • ソウル植物園 植物園散策 — 温室熱帯館の4都市(ハノイ・ジャカルタ・サンパウロ・ボゴタ)と地中海館の8都市 · 冷風機(熱帯館・地中海館の入口、ローマ広場の噴水)とエアコン(地中海館ローマ広場の休憩所)確認 2026-10-27
  • ソウル植物園 植物園散策 — 主題園韓国の自生植物で伝統庭園を再現した主題庭園と温室 · 主題庭園8か所(風の庭・思い出の庭・森の庭など) · 登録文化遺産の麻谷文化館(旧排水ポンプ場)確認 2026-10-27
  • ソウル植物園 コインロッカー冬季(11〜2月)9:30〜17:00 · 毎週月曜休み · 運営時間外は預け入れ・受け取り不可確認 2026-10-27
  • ソウル植物園 機関紹介 — 造成の経緯2018年10月11日市民開放 · 2019年5月1日正式開園 · 2021年ソウル特別市第2号の公立樹木園に登録確認 2026-10-27

AIキャラクターと一緒に歩くソウルの物語です。スポット情報は公開資料で確認し、写真はAIで制作した演出画像です。 AI活用について